当ルームのカウンセリング
2019/07/06
相談して傷つく体験
カウンセリングが必要かも...
と思いつつカウンセリングに行けないことの理由の一つに、カウンセラーなど援助者からの傷つけられ、人を信用できない、相談してまた同じ思いをしたらどうしょう... と怖くなることがあります。
サポートを求めて相談した人に傷つけられることは、二重の傷つき、二重のトラウマです。
似た体験としては、例えば、犯罪被害に遭われた方が「不用心なあなたも悪い!」と言われたり、いじめられていることを相談したら「どうして仲良くできないの?」と言われることが近いかもしれません。
傷つきの体験を相談すること自体勇気がいります。
すでに自分自身を「私にも悪いところがあったのかも」と責めていたり、自分に対する無価値感や恥でいっぱいな中でおそるおそる振り絞った声だったかもしれません。
そんな中で発せられた心ない言葉は最初のトラウマの上にもう一つ傷を作ります。
「自分の身に何かあっても誰も助けてくれない」
「それどころかさらに傷つけられる」
『他者は、世界は、脅威に満ちている』
という体験です。
ちなみに私もカウンセラーに相談し、傷ついた経験があります。
カウンセリングの世界では、カウンセラー自身がカウンセリングを受けることが推奨されています(「教育分析」と言います。話はそれますが、カウンセラーに限らず援助者がカウンセリングを受けることを強く薦めます)。
自分が学んできたカウンセリングがこんなにも人を傷つけるということを身を持って体験したのが、治療者-クライエント関係をこれまで以上に考える大きなきっかけとなりました。
「信頼できるカウンセラーを探すのは難しい!」
当時そんなことを思っていました。
こういった思いが、現在、安心で安全な場づくり、関係づくりへの関心に繋がっています。
「カウンセリングに対して猜疑心があるんです」
そう言いながらカウンセリングを始められる方もいます。
そういった思いをお伝え頂いたことに感謝しながら、丁寧にカウンセリングプロセスを進めていきたいと思っています。